ホルモンをつくる内分泌臓器
全身いたるところでホルモンはつくられると言いましたが、主な内分泌臓器を参考までにあげておきます。
- 脳下垂体は、両眼と両耳を結んだ線のところに脳にぶら下がった形で小指の先端ほどの小さなホルモン臓器です。8種類ほどのホルモンが出て、全身の内分泌臓器にはたらくことから、ホルモンの司令塔ともいわれます。
- 甲状腺は、のどのところに左右にまたがっており、全身の代謝を調節します。その甲状腺の左右、上と下の端に、マッチ棒の先ほどの大きさの副甲状腺、上皮小体があり、カルシウム代謝を調節します。
- お腹では、ソラマメ型の左右の腎臓の上にかぶさる形で、平たい三角お結び型の副腎があります。皮にあたる表面部分は皮質といい、血圧維持やストレス時に必要なステロイドホルモンがでます。中身の部分は髄質と呼ばれます。
- 膵臓は、深いところにありますが、消化液をだす外分泌のほかに、内分泌細胞が集まったラ氏島が広くちらばっており、インスリンやグルカゴン、ソマトスタチンといったホルモンにより糖代謝を含めた物質代謝の調節をおこなっています。
- 胃や腸には消化管ホルモンとまとめて呼ばれる多数のホルモンがつくられ、消化吸収や消化管の運動調節や血糖調節をしています。
- 腎臓からは、赤血球をふやすエリスロポイエチン、血圧関連のレニンというホルモンがでます。
- いままでポンプ作用しか知られていなかった心臓や血液を流す管である血管からも、ナトリウム利尿ペプチドや血管収縮作用をもつエンドセリンなどのホルモンがでています。また、体のエネルギー貯蔵倉庫である脂肪においても、数々のホルモンが見つかっています。